作り手になるまでの物語をたっぷりお聞きしました。

今回は、2020年の5月に、ファーストアルバム「忘れえぬ風景」をリリースした2人編成のバンド「ごがつの日」の田川薫さんとカキシマゾゾミさん。

葉山で知人に紹介されて初めてごがつの日の曲を聞いたとき、目の前に真っ青な海と空、新緑の山がわ~っと広がって、心と体が一気に解放されるような心地よさを感じました。

カキシマさんの透き通る声に、田川さんの温かい歌声やウクレレ、口笛。

その後も家族で何度も聴いてその気持ちよさに浸り、小学生の息子もいつの間にかその優しい歌を口ずさむように。

葉山の海のそばにある田川さんのご自宅兼スタジオで、ゆっくりお話を伺ってきました。

(聞き手:works and stories 松井咲子/撮影:渡部忠)

1ライブはお楽しみ会という感じでやりたい。

松井
ごがつの日は、いつ結成されたんですか。
田川
4年前。2017年の5月です。
松井
5月に結成したからごがつの日に?お二人のバンドが結成された経緯を教えてください。
田川
横浜にdoudou(ドゥドゥ)っていうライブができる場所があって、仲良しのマスターが、ライブしない?って誘ってくれたんです。僕はその時ソロで活動していて。
松井
最初はソロだったんですね。
田川
はい。そこで、僕と、ゾゾミと、もうひとり、岡山の人の3人で演ってほしいと。それで、別々にソロライブをしたんです。そうしたら、翌年、マスターがもう一回同じメンバーを呼んでくれて、二回目だったから話しやすくて。その頃、自宅でライブもしていたので、ゾゾミに出てよってお願いしたんです。
カキシマ
doudouのライブの1週間後ぐらいかな。
田川
そのときに、ゾゾミが旦那さんも連れて来たんです。僕もゾゾミも人見知りなんだけど、旦那さんが面白い人で、一気にコミュニケーションが取れて、ライブ後に畳の上でお酒飲みながらしゃべってて。
カキシマ
最初は、田川さんが「バンドやりたいな」ってぼそって言って、「私もやりたいな」って私もつぶやいたんですよ。
田川
それで、また1週間後の自宅ライブのとき、「こないだのあれだけどホントにやる?」みたいな。
カキシマ
そこで私の夫が、「やれやれ!」って。
田川
それで、みんなでお酒飲みながらバンド名を出し合って。いろんなくだらない名前が出るなかで、僕たちがたまたま同じ誕生日だったので、誕生日にちなんだバンド名っていいよねって、生まれた日が同じだから「うまれた日」っていうのはどうかなって。
カキシマ
その時私が、ソロで「ごがつの日」というタイトルのアルバムを作っていて、夫が「だったら、ごがつの日がいいんじゃない?」って言ったんです。結局それでごがつの日に決定。

- このスピード感。お互いの音楽にリスペクトがあったからですね。今ではまるで兄と妹のようにも見えるお二人ですが、じっくり深まる時間も少なそうな中、バンドの相手とどのように距離を縮めていったのでしょうか。

松井
結成されて、具体的な活動がすぐに始まったんですか。
カキシマ
最初、私の結婚式があって、そこで歌いたい、ごがつの日でやろうって言って。そうしたら田川さんが、じゃあ最初は練習がてらゾゾミの(作った)曲をやろうよってなって。で、あそこで距離が縮んだよね。それまでは二人とも遠慮のかたまり。
松井
その遠慮のかたまりの関係が、結婚式のライブで変わったんですか。
カキシマ
田川さんが、結婚式の司会をやってくれて。
田川
ゾゾミが僕に司会を頼んでくれました。そのままの感じでいいからって。
カキシマ
そうしたら、案の定グダグダだったんですよ。かしこまった感じにしたくなかったので、あらかじめたくさん飲んでもらって。
田川
僕も僕で、前日まで何も準備していなくて。学校のお楽しみ会ぐらいの感じでやればいいやって思ってたら、前日の夜に優美(※田川さんの奥さま)が、「結婚式でご親戚も集まられるのに、使っちゃいけない言葉とか、そのぐらいは…。」って言い出して。台本を書き出したら結構きっちりしたのができてしまい、それを棒読み。
カキシマ
小学生ぐらい棒読みで(笑)それがすごくかわいかったんです。温かい気持ちになって。私の思い通り、会場がやわらかい雰囲気になって。
田川
中盤は、僕ももうベロベロになって台本を全部捨てました(笑) それからすごく打ち解けて、意見を出し合って曲を作れるようになって、僕が曲作りを熱心に始めていったというのがごがつの日の経緯です。5月6月にバンドを組んだけど、実際は11月、半年後くらいからオリジナルソングができ始めました。
松井
その時期は、ライブをこういう風にやっていきたいみたいな、何かしらの目標はありましたか。
田川
ライブはお楽しみ会という感じでやりたい。でもやるためには準備をしなきゃいけないから、どんどん曲を作ろう、って言って、海とか山へ行って練習をするんだけど、友達から始まっていないから知らないこともたくさんあるし、話したいこともたくさんあるので、半分はおしゃべりタイムだったね。コーヒー淹れてケーキ食べておしゃべりして、半分過ぎてそろそろまずくない?みたいな(笑)
カキシマ
話が合うんだと思います。
田川
根っこの部分で価値観が近い。
カキシマ
今では本当に親友みたいな感じで。「あの映画見た?私の考察はね…」って話せる。
松井
そんな風なバンドの組み方って、一般的なんですか。
田川
友達同士で組むっていうのはオーソドックス。波長ってとても大事だから。そういう意味では珍しくないかな。つながってみたら共通する部分が多かったっていうのは奇跡的に良かった。

- 優しいこの空気感、なんだかとってもほっとする…。そんな相手と好きな音楽ができるなんて、確かに奇跡かも。
そして忘れてはいけないこと。ごがつの日を作っているのは、田川さんとカキシマさんだけではありません。田川さんの奥さまの優美さん、そしてカキシマさんの夫の赤澤さんもしっかりと裏から二人を支える大切なメンバーです。

カキシマ
私の夫と田川さんが同い年なんです。
田川
だから、すごく気が合った。飲み友として、お酒が飲めてお互いの妻が嫉妬するぐらい仲がよくて。そして、妻同士も気が合う。
カキシマ
(優美さんは)お姉さんみたいな感じで。
田川
活動としてはこの二人の活動メインでやってるけど、いろんなことをやるときは、うちの妻とゾゾミの旦那の四人で意見を出し合って決めたりするっていう。
優美
私はふたりがやってることに横から口出ししているだけで、提案をしたことはないです。ふたりがやっててそこにすこし意見を言ったりはするけど、新しい動きを私から提案することはたぶんない。
田川
僕らにはない道を持ってきてくれるからそこが嬉しい。例えば僕らでは繋がれないような人を紹介してくれたり。ライブ会場を探しているときも、この人に相談してみるといいよとか。僕らのアルバムを、京都にある恵文社一乗寺店さんに置いていただいているんですけど、もともとは優美の知人の関係で繋がったり。
カキシマ
わりと二人(田川さんとカキシマさん)は子どもみたいな感じで、お互いの相手が励ましてくれて。
優美
私は音楽をやって来なかったから素人なんですけど、単純にふたりの音楽が好きだから、聴いていて、すごいいいねってなってるだけなんですけど、それが良かったなら良かった。
田川
優美は写真を撮ってくれて、フラットな目でアドバイスをくれる。ゾゾミの旦那は音楽経験者でもあって音楽的なアドバイスもしてくれたり、困ったら相談できる。だからアルバムの最後のクレジットも、「advice:赤澤師明」って彼の名前を入れてます。
松井
本当は4人のグループなんですね。

- 4人合わせてごがつの日。素敵だなあ。次回は、スタジオを使わずに自宅でレコーディングをするというごがつの日の音楽について詳しく伺います。

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この記事に登場の作り手

ポートフォリオ

ごがつの日

左:田川薫
(ウクレレ、歌、口笛、メロディカ、グロッケン)

右:カキシマゾゾミ
(ギター、歌)

夏を待つごがつの日にわたしたちは生まれました。特別じゃないようで特別に思える、そんなことを歌っています。

2020年5月 1stアルバム『忘れえぬ風景』リリース
オンラインストアにて販売中
https://gogatsunohi.com

オフィシャルInstagram
https://www.instagram.com/gogatsunohi/

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